シニアに嬉しいのんびり海外クルーズ旅行
海外旅行へ行く際、心配ごとのひとつには、「食事が口に合わないのではないか」ということもあるかもしれません。
私は仕事柄、海外出張も多かったため、どの国の料理もだいたいは平気で食べられる方なのですが、国によっては口に合う料理が少なく、食事に困ってしまうこともありました。
香辛料が苦手だという人には、タイ料理はつらいかもしれません。
例えばクミンシードなどは、好きな人には「口がさっぱりして食後にぴったりだ」と感じられますが、スパイスが苦手な人には辟易するクセがあると言います。
また、世界三大スープにも選ばれているトム・ヤム・クンには、香草・パクチーが使われていますが、日本人の多くはあの香りが苦手だといいます。
それから日本人は食事に関して繊細なところがありますから、内臓料理などは臭み抜きを念入りにしないとつらいところがあります。レバーを使ったパテ料理などは、少しつらいものがあるかもしれません。
日本人が、海外の料理が苦手になってしまうのは、匂いや味付けだけが原因ではなさそうです。
例えば私の妻は、日本ではイタリア料理を平気で食べていたのですが、40代のとき、いわゆる「フルムーン旅行」のつもりでイタリアへ行った際に、「本場イタリア料理」を食べてから、イタリア料理が苦手になってしまいました。
理由は、パスタが思っていたよりも硬かったということ。そしてたまたま体調を壊していたときにオリーブオイルたっぷりの料理を食べて気分が悪くなってしまったことが、パスタを苦手にさせてしまったようなのです。
私はまったく平気なのですが、油っぽい料理というのは、体調によっては美味しくも不味くも感じられるもののようです。
それから、日本で食べるイタリア料理は日本人の口に合うように作られている場合が多いですから、現地での料理は普段日本で食べているものとは若干異なるでしょう。それも原因のひとつかなと思います。
そんな妻を、元の、いや元以上の「イタリア料理好き」に変えたのは、まさに潮風のマジックとでもいうべきものでした。
エーゲ海クルーズに参加した際、料理の多くはイタリア料理であったため、当初妻はがっかりしていました。
私は「他に食べるものがないんだから」となだめて、数あるビュッフェの料理のうちからパスタと魚料理を皿にとり、デッキに出て二人で食べ始めたときの、妻の表情の変化は忘れられません。仕方なくといった表情でパスタをフォークに絡め、口に入れた瞬間、少し怪訝そうに眉根を寄せ、すぐにパッと明るい表情になったのです。
「おいしい!!」
そう叫ぶとあっという間に皿の上の料理を平らげて、次の料理をとりに戻っていきました。
日本に帰ってきてから、またパスタ料理を食べるようになりましたが、「クルーズ旅行で食べたものほどは美味しくないわねぇ」と言っています。シェフの腕が良かったということもあるのでしょうが、海の香りと輝く波が最高のスパイスになったのであろうと私は思っています。